自然栽培でよく言われる、土作りの進み具合と生える雑草の変化についての、自分なりの解釈です。
先ず、草にも生育しやすい環境がそれぞれにあり、草によって様々異なります。
乾燥に強い草もあれば、水辺が好きな草もあります。
もちろん季節、気温によっても生える草は違います。
そして、ここで抜き出してお話ししたい項目は、土壌塩基度です。土壌塩基度こそ、作る野菜の品目の幅を決めますし、作物の健康にとても大切な役割のある、ミネラルの蓄え具合を示す物だからです。
それでは、土壌塩基度を起点に、その辺りを少しお話し致します。
土のPHによって、生える草が変わります。
酸性土壌を好む草は、いわゆる土づくりの出来てない畑に生えてきます。
一般に言われるのは、クローバー、スギナ、ギシギシ、ハハコグサ等です。
土が肥えた畑には、オオイヌノフグリ、ハコベ、ホトケノザ等が生えてきます。
ですので、土作りの進み具合いを、畑に生える草によって知る事が出来る訳です。
とは言え、自然栽培では、化学肥料の投入は出来ません。しかし、断食農法でもありませんので、栄養素が根などの届く範囲に無くては育ちません。
もちろんエンドファイトも働きます。ですが、根に菌糸が取り付いていても生育が足りない様な状況は多々出ていましたので、エンドファイトに期待を全振りするのは、私の失敗と同じ道を辿る事になると思います。
そこで、どの様に栄養素を圃場に確保するのかと言いますと、森の木をイメージすると分かるかと思います。木は、枝に葉を蓄え、繁り、その葉を落として、とのサイクルで生命活動をしています。その葉には、葉緑素があり植物体の素があり木質の素がある訳です。葉緑素の素は、マグネシウムとアミノ酸ですし、植物体や木質の素はセルロースとリグニンです。従って、そのサイクルが回り続ける限り、アミノ酸やミネラル、セルロースなどが根の広がる範囲に、毎年毎年投入される仕組みがあり、更にリグニンが腐植化して保肥力を高め、それら栄養素の流亡を防いでくれています。もちろん葉の分解には、微生物が関わりますので微生物は重要です。
この仕組みを圃場で再現するために、草などの有機物を畑の表面に敷設する方法があります。
このやり方は、炭素循環農法や自然農で為されている事と、結果的には同じでしょう。
単純に言えれば、土作りをして保肥力を高め、その保肥力の高い土に草の形でミネラルを投入し、土壌塩基度が上がれば生える草が変わってくる。という事です。
ですので、逆に、畑に生える草を見れば、畑の土壌塩基度が大体分かり、保肥力が推測出来るのです。
従って、今、圃場に何をすべきかが分かります。
慣行農法をしている人の中にも、土が良ければ肥料が要らないと言う人がいます。土が出来ている畑では、施肥をしなくても作物がよく育つと。
つまり、自然栽培の目指す所は、ここだろうと私は思っています。
是非、圃場の草を調べて、土の出来具合を確認する手助けとして下さい。
コメント